同じ時間デスクに向かっているのに、
「今日はやけに集中できる日」と
「まったくはかどらない日」があります。
その理由のひとつが、
ワークスペースの「色」と「光」です。
この記事では、
- 集中したいときの色
- リラックスしたいときの色
- アイデアを生み出したいときの色
を、ワークスペースにどう取り入れるかを
やさしく整理していきます。
なぜ、ワークスペースの色が大事なのか
色は、私たちの脳に「環境の情報」として届き、
覚醒レベル(ぼんやり/冴えている)、気分、モチベーションに影響するとされています。
How Color Psychology Affects Moods, Feelings, and Behaviors
オフィスや在宅ワーク環境に関する研究や実務の中でも、
- 青や緑 → 集中・冷静さ・ストレス軽減
- 黄色 → 創造性・前向きな気分
- 赤 → 注意を引く・緊張や警戒感を高める
といった傾向が報告されています。Gebesa+2quillsuk.co.uk+2
もちろん個人差はありますが、
「どんな色に囲まれて仕事をしているか」 は、
集中力や疲れ方にじわじわ効いてきます。
集中・リラックス・創造性を「色」で切り替える

1. 集中したいときの色:青・青緑・落ち着いた緑
- 頭をクリアにする
- 心拍や不安を落ち着かせる
- 長時間の作業や、分析・事務作業に向いている
オフィスの生産性を扱ったレビューや実務の知見でも、
青や緑を含む環境がストレスや疲労を減らし、集中を助けたという報告があります。
What colours increase employee productivity, well-being and satisfaction
取り入れ方の例
・デスクマットを青緑系にする
・PCの壁紙を静かな森や海の写真にする
・観葉植物を視界の端に置く
2. リラックスしたいときの色:緑・ベージュ・ソフトグレー
には、安心感と「余白」を感じる色が役立ちます。
- 緑:回復・安心・自然とのつながり
- ベージュ:柔らかい土台感、温かさ
- ソフトグレー:情報をいったん整理し、考えを休ませる
取り入れ方の例
・椅子のクッションカバーをベージュに
・机のそばの壁に、グレイッシュなポスターを1枚だけ
・「書かないスペース」のあるメモ帳やノートを使う
3. 創造性を高めたいときの色:黄色・コーラル・アクセントの赤
新しいアイデアを出したいとき、
ブレインストーミングが続くときには、
「少しだけ気分を持ち上げる色」が役に立ちます。
- 黄色:軽さ・前向きさ・ひらめき
- コーラル(オレンジ寄りのピンク):安心+活発さのバランス
- 赤(少量):注意喚起・エネルギー
ただし、
強く・広い面積で使うと疲れやすくなるとの指摘もあり、
アクセントにとどめるのが無難です。
Effects of Office Interior Color on Workers’ Mood and Productivity
取り入れ方の例
・付箋を黄色にして、アイデア出しだけに使う
・ペン立てやマグカップをビタミンカラーにする
・ホワイトボードのフレームやマーカーで色を足す
どこから変える?ワークスペース色彩設計のステップ
STEP1:視界の「背景色」を整える
まずは、作業中によく視界に入る背景から。
- 壁
- デスク上の大きな面積
- モニターの周り
ここがごちゃごちゃ・ビビッドすぎると、
知らないうちに情報過多で疲れやすくなります。
おすすめは、
「明るめのグレー」「やわらかい白」「グレージュ」などの中間色をベースに、
そこに青や緑を少し足すイメージです。
STEP2:手元に来る色を決める(デスクまわり)
次に、手が触れる・目が落ちる場所の色。
- デスクマット
- マウスパッド
- ノート・ペン・トレー
ここに、
- 集中したい → 青・青緑
- 落ち着きたい → 緑・ベージュ
- アイデア出し → 黄色系を一部
といった形で、目的に合わせた色を配置していきます。
STEP3:時間帯・モードで色を切り替える
同じワークスペースでも、
時間帯や作業モードで色を変えるのもひとつの方法です。
- 午前中:集中しやすい青や青緑ベース
- 昼食後:緑や少し明るめの色で気分を持ち上げる
- 夜:ソフトグレーやベージュで「終わりに向かう」モードへ
壁紙・デスクマット・デジタルのテーマカラーなど、
「切り替えやすいもの」から試すと無理がありません。
光の色(色温度)も大切な「見えない色」
ワークスペースでは、
照明の色(色温度)も色彩心理の一部です。
研究でも、
青みを帯びた光が注意力・覚醒度を高める一方で、
長時間だと疲労感や目の負担につながる可能性が指摘されています。
Different light colors and their psychological effect
- 集中したい作業 → やや白〜昼光色寄り
- リラックス・振り返り → 暖色系(電球色)のスタンドライト
- 夜遅い時間 → スマホ・PCのブルーライトを抑える設定
「ワークライト」と「休憩ライト」を使い分けるだけでも、
心のモードの切り替えがしやすくなります。
正解は一つじゃない:自分に合う色を探す視点
最近の研究では、
色と感情の結びつきには共通傾向がある一方で、
文化や個人の経験による違いも大きいことが示されています。
つまり、
- 「青=落ち着く」がしっくりこない人もいる
- 元気な赤い部屋が逆に集中できる人もいる
ということです。
大事なのは、
- 「こうすべき」ではなく、「自分はどう感じるか」
- 一度に大きく変えすぎず、小さく試してみること
この2つです。
すべてを一気に整えなくていい
ワークスペースの色を整えると聞くと、
「模様替えレベルで変えないと意味がない」と感じるかもしれません。
でも実際は、
- モニターの壁紙を変える
- デスクマットを新しい色にする
- よく使うノートの色を選び直す
こうした小さな変化だけでも、
仕事への向き合い方が少し楽になったりします。
「自分が働きやすい色を、少しずつ増やしていく」
それだけでも十分です。
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【著者】鈴木 一世(Issei Suzuki)
現役大学教員/英語教育専門家/色彩心理リサーチャー
英語教育と心理学を専門としながら、
色が人の感情と行動に与える影響を研究。
「心が少し軽くなる知識」を届けることを大切に執筆しています。
参考・情報源
- How color and lighting can affect office productivity
- The Psychology of Colour, Light & Performance at Work
- Effects of Office Interior Color on Workers’ Mood and Productivity
- Color and brightness at work: Shedding some light on mind and brain
- Universal Patterns in Color–Emotion Associations



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