コーポレートカラー
色が与える影響は、普段気にしていないとあまり気づかないものです。町を歩いていると、いろいろな看板があります。看板で使われている色には、それぞれ意味があると言われます。
企業のロゴに使ってある色で、その企業のイメージが決まるということで、各社使う色には大変気を使っているんです。企業が使う色は、コーポレートカラーと呼ばれます。
たとえば・・・「あなたとコンビにファミリーマート」というコマーシャルがありました。ファミマのロゴは、青と緑。「あなたとコンビに」というのは、コンビニと「お客様とコンビになる」という2つの意味があるのでしょうか?
青は誠実さを象徴し、緑はつながりを象徴する色です。誠実にお客様との結びつきを大切にする、それがファミマの経営理念にあることを伝えようとしているのかもしれません。
どの色がどんな意味を持つのかは、後ほど触れますが、このように色が人の気持ちに与える影響は、思った以上に重視されています。コーポレートカラーについては、検索するといろいろ出て来ます。
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社会が決める色の印象
とは言え、色が人に与える影響は、色そのものの波長から生じるものだけでなく、社会にそう思い込まされてしまうこともあります。
今は、ランドセルも色の数が大変増えました。男の子でもピンク系のランドセルを選ぶこともありますし、そもそも男の子女の子という区別もなくなりつつあります。
昭和の時代、学校の朝礼では、男女別に列を作って並んでいましたし、名簿も男女別。左が男子、右が女子。小学生が買うランドセルの色は、男の子は黒、女の子は赤と決まっていました。こうした習慣は、学校で生徒を管理する時に便宜的に決めたものなのでしょう。社会が色の印象を決めてしまうということは他にも例があります。
男性は寒色系、女性はピンク系というのも、社会が勝手に決めた印象だという意見もあります。女性「らしさ」を押し付けられるのが嫌いで、あえてピンクを身に着けないという女性がおられるとか。
色は身体にも影響を与えている?
黄色とオレンジ色はビタミンカラーと呼ばれます。元気や食欲を高める色です。お腹がすくと、オレンジ色の看板探しませんか? がっつり食べたい時は、赤い看板探しませんか? 身体が色を求めるので、食べ物のお店にはそういう色を使うことが多いわけです。
黄色は消化を促進するそうで、胃腸の調子が悪い時、身の回りに置くとよいとされています。緑は一番やさしい波長の色なので、眼精疲労や頭痛を和らげる効果があります。
青は気持ちを落ち着かせる効果があるため、不眠に効果があります。ちなみにダイエットにも効果があるそうです。青いカレーって、どう考えても美味しく見えないですから、食欲を抑える効果があるようです。
どうですか? 今日のランチを選ぶ時、お店の看板の色に目が行ってしまいそうですね。
それぞれの色が人の身体にどのような影響を与えるのか具体的に見てみましょう。
色彩が人の身体に与える影響とは?―色彩心理学の観点から
色彩は単なる視覚的な要素にとどまらず、人の心理や生理的な反応に大きく影響を与えます。特に、色彩が身体に与える影響については、心拍数や血圧、ホルモン分泌にまで関係すると言われており、色彩心理学において重要なテーマです。ここでは、色が人の身体にどのように作用するのかを解説します。
1. 赤色:エネルギーと興奮を促す
赤色は強いエネルギーを象徴する色であり、人の身体に刺激を与える効果があります。視覚的に赤を認識すると、交感神経が活性化し、心拍数や血圧が上昇することが確認されています。このため、赤色は興奮や活力を引き起こし、体温を上げる効果もあるとされています。
一方、赤色は長時間の接触によってストレスを感じることもあり、集中力を低下させる場合があります。適度な使用が効果的であり、スポーツや競争の場面では有効に働く色です。
2. 青色:心身をリラックスさせる効果
青色は冷静さや信頼感を象徴する色で、リラックス効果があることが知られています。青を見ることで副交感神経が刺激され、心拍数が低下し、血圧が安定します。この効果により、青色はストレスを軽減し、安らぎをもたらすため、医療機関やリラクゼーション施設でよく使用されます。
また、青色は集中力を高める効果もあり、特に知的な作業を行う環境では効果的です。睡眠を促す作用もあり、寝室に取り入れることで質の高い睡眠をサポートします。
3. 緑色:バランスと癒しを提供する
緑色は自然を象徴し、調和や安定感をもたらす色として知られています。緑は目に優しい色であり、視覚的な疲れを和らげる効果があります。そのため、緑を見ることで心が落ち着き、ストレスが軽減されることがわかっています。
また、緑色には癒しの効果があり、ホルモンバランスを整える役割を果たします。自然の中で過ごすことが身体的にも精神的にも良い影響を与えることから、緑色はその象徴的な役割を持っています。
4. 黄色:明るさと幸福感を高める
黄色は太陽を連想させる明るい色であり、幸福感や楽観主義を促す効果があります。黄色は視覚的な刺激が強く、脳の覚醒を助けるため、精神的に活力を与える色です。
身体的には、黄色は消化器系に影響を与え、消化を助けると言われています。しかし、過剰に使用すると、焦りやイライラ感を引き起こす可能性があるため、適度なバランスが重要です。
5. 紫色:精神の深まりとリラクゼーション
紫色は高貴さや神秘性を象徴する色であり、精神の深まりや瞑想に効果的です。紫を見ることで、脳がリラクゼーションモードに入り、精神的な落ち着きを得ることができます。瞑想や内省の場で使われることが多いのもそのためです。
身体的には、紫色は鎮静作用があり、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。精神的な安定をもたらし、ストレスを軽減するため、特に心身のバランスを取り戻したい時に有効です。
6. オレンジ色:活力とコミュニケーションを促進
オレンジ色は赤と黄色の特性を合わせ持つ色で、活力や社交性を象徴します。オレンジ色を見ることで、体内のエネルギーが高まり、コミュニケーション能力が向上することがわかっています。特に食欲を刺激する効果があり、ダイニングルームに使用することが効果的です。
身体的には、オレンジ色は消化を促進し、血行を良くする効果があります。エネルギーが不足している時や、活力を取り戻したい時に最適な色です。
色彩心理学は、日常生活における色の使い方を工夫することで、身体的な健康や精神的な安定をサポートできる重要なツールです。それぞれの色が持つ特性を理解し、適切な場所で活用することで、より健康的でバランスの取れた生活を送ることができるでしょう。
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